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事業承継の秘訣は、 「老」+「子」=「孝」 

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先日、ある若手経営者であるA社長の話を聞く機会がありました。 縁あって、奥さんの父親が経営する会社に、中途入社したのですが、義父である超ワンマンの会長から「おまえは動物以下だ」と叱責を受け続けたそうです。幹部社員はほとんどやめていき、時代と逆行する経営を推し進める会長との確執から、ついに本人も会社をやめるかどうか真剣に考えていた際に、陽明学者の安岡正篤さんの言葉(論語に学ぶ)を思い出したそうです。

「孟武伯 孝を問ふ。子曰く、父母は唯(た)だ其の疾を之憂ふ。」(為政)

一般的な解釈は、「孟武伯が孝とはどういうことですかと尋ねたところ、孔子がいうには、『父母は、ただ子どもの病気のことを心配する』のであるから、子どもは病気にならないように注意しなければならない」と解釈されています。 しかし、安岡正篤さんは、「『疾』は『争ふ』と同じ意味なので、疾を憂うとは、子供がことあるごとに反抗して、親の言うことを素直に聞かないこと、すなわち、親子の断絶を憂うる」という解釈をしています。

そうすると「孝」とは、「老」(親・先輩・年長者)と、「子」(子供・後輩・年少者)とが断絶することなく、離れないで一つになった状態をいい、「老」+「子」=「孝」となります。 A社長は、売上拡大のみを唱える会長との経営に対する確執がありますが、ここは「孝」のため、いやでも離れないことが肝要であり、逃げたらおしまい、とことん会社にぶら下がってやる、どうせなら会社の数字を上げてからやめてやると決意して今日に至っています。 そして、経費節減、社員の意識改革を行った後、あえて会長の言う売上最大へ取り組みのため、売上倍増の5年倍増計画を作成し、目標を達成しました。在庫削減の効果でキャッシュフローがよくなり、最近では会長からの叱責も少なくなりました。

社長と会長、専務と社長が経営方針についてぶつかり、結局は離反して、会社経営が成り立たなくなるケースがあります。しかし、乗り越えられる悩みだからこそ、自分に来ていると自覚して、感性的な悩みはせず、一歩一歩改革していきましょう。それが、天からあなたの「孝」が試されていると思って・・・。


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